写真は単2アルカリ乾電池8本を内蔵した歪計測4chの長距離無線観測LoRaノードです。歪センサー用アンプは使わず歪センサーに直接給電し、直接uVで出力電圧を測るので省電力で計測を行うとともにLoRaで長距離で省電力の通信を行いますので乾電池だけで10分毎の計測・送信で500日連続動作する計算です。
機器はIP65の防水ケースに収納しまていますので屋外にそのまま設置出来ます。
手軽に屋外に設置した伸縮計・亀裂変位計・ロードセル・沈下計などをリアルタイムにWeb観測を実現できます。
左の4つの観測ノードは運用中の多地点観測システムに追加・変更するものです。
計測中のシステムに追加するのはWeb機能も含めてすべての機能が試験できる環境が作成でき実際試験して正常に動作する必要があります。
このことを実現するため、社内で4台の観測するシステムを1つの多地点観測を行う地点としてゲートウエイを含め新しく作成、現地のシステムとデータベースと統合、総合的に試験を行っています。
各観測ノードからはCSV形式で時刻と機器IDを含む計測データが送られるので社内で準備した観測ノードを現地に持って行けばそのまま動くことになります。
なお、機器IDやLoRaの電波通信条件は整合性を持たせています。
構成と使い方はシンプルですが内部は複雑です。
上の中央がLoRa/3Gのゲートウエイでその他がAD4ch+DI2chの観測ができるノード8台です。
LoRaは弱い電波で長距離通信を可能にするため通信速度を犠牲にしています。左のシステムでは約100BpSのスピードで一回に最大40バイトの送信を行っています。 この他に送信が成功したかの確認や時刻合わせの通信も短いデータ長ですが行っています。
簡単に計算すると1回のデータ送信に5秒以上かかります。そしてこのシステムでは10分毎に全データを収集しますので約1分に5秒の通信時間がかかります。
不定期に各ノードが発信すると電波の発信時刻が衝突して送信に失敗する可能性が出てきます。 これを避けるため各観測ノードに別々の送信時間を割り当て通信の衝突が起こらないスムーズな通信を確保しています。
さらにこの送信時間が正確に維持できるようGWの時刻を基準として各ノードの時刻を時刻同期通信を行い合わせています。
この様に長距離通信を安定して実現する工夫をしています。
試験は亀裂センサーの間隙を変化させ4ゲージ歪センサーの4本のケーブルの2本(+V,GND)に5Vを給電、そして出力(+SIG,-SIG)の電圧をuV単位で計測しています。
実質1%~0.1%の精度で計測でき安定した歪計の微小電圧の計測を実施してします。
このLoRa観測では計測時のみ給電し、高精度ADで直接歪センサーの出力電圧を計測しており省電力を実現しています。
最大4個の歪センサーを接続し10分後と計測送信を行う詳細観測を行っても内蔵の単2アルカリ電池8本で500日以上連続動作できる計算です。
日陰でも乾電池で動くので運用の手間のかからない広域・多地点・無線観測が実現できます。
屋外観測は一般に人が観測地点を赴いて記録されているメモリカードを回収しオフィスのパソコンでデータを整理し報告書にまとめるとともにデータの評価・解析を行います。当然ながら毎日現地に行うような運用は費用がかかってできません。
これがFoMaを使った遠隔計測を使ってクラウド上のデータベースを使えば人が介することを減らしてサーバ上で評価・解析した情報を関係者ですぐ共有できます。また、シミューレータの境界条件に実測データを供給して予測や予兆の検知へと結び付けられます。
コロナで人と会っりオフィスに出たりすることが制限される中、クラウドを使った評価・解析・予測なら現地に入るのはトラブルや定期点検時に限られ時々刻々、観測データがみられる状況でありながらテレワークでも質の高い仕事ができます。(データを回収する必要なくいつでも観測データが利用できます)
さらにこれまですぐに観測データが利用できる状況となって評価・解析・予測のプログラムを準備し、処理することで本来の目的である観測データを有効利用でき、生産性の高い屋外観測への結び付けられます。
この様なシステムを提供して行きます。
そのためにも手間のかからない観測とデータベースでの解析は必須です。
コロナだからと仕事の質を落とさす高い品質と生産性を求めるよい時期です。